トップ

前のテキスト  テキスト一覧  次のテキスト


 特選リミックス紹介 (2004/2/21)

2004年2月20日をもって、「鍛冶屋の受難」のソースファイルは公開を終了しました。
数々のリミックス版に十分楽しませて頂きました。ご参加下さった皆さま、ありがとうございました。
公開終了前にソースを入手されていた方で、今後リミックス版を公開される場合は、リミックス版公開サイト一覧に加えさせて頂きますのでご連絡下さい。
なお、FLAファイルの転載・再配布はお断りしております。 ご理解・ご協力をお願いします。

さて、これまで数々のリミックス版が制作・公開されてきました。
そこで、これまで公開されたリミックス版のうち、私が特に感動した作品を、いくつかコメント付きで紹介していきます。Roots特選リミックス。

シーフの受難」 (出会わない系ギルド SAL
ふなめしさん作成。
まずステレオサウンドの音質に圧倒され、その勢いにのって次々に展開されるシーフの受難。表現力の多彩さは本当に素晴らしく、FLASH制作者としても見習いたいシーン多数。凝縮された言葉の選び方も見事で、FLASHの特性を生かし切っています。一体どうやって表現しているのかすら分からない部分もあり、鳥肌モノ。
「シーフが盗みして何が悪い!」というドーラの叫びが象徴的。また、「お金が稼ぎたいのではない 高価なアイテムを盗みたいのでもない」と続くシーンは、シーフの独白のようで共感を誘います。
かつてUOは死ぬか生きるかのリアルな世界が売り物だったけれど、数々のパッチを経て安全・簡単・便利な社会がやってきた。そこにはプレイヤー同士のせめぎ合いはなく、転がっているのは無味乾燥なゲームの世界。そして一番割を食っているのはPKやシーフであるのは間違いない。そんなシーフの視点から描かれた強烈なメッセージ。
元フラからは「受難」というエッセンスだけを受け継いだオリジナル作品ともいっても過言ではない、超CoOOoOoolなFLASHです。必見。

鍛冶屋の受難リミックス」 (ウルティマS∴T∴工房
s.t.iiiさん作成。
これぞリミックスDA!と快哉を叫びました。
この作品以前に報告されていたリミックス版は基本的に元フラと同じ曲、同じ構成で制作されていたのに対し、このFLASHは原作の要素だけを取り入れつつ見事なまでに再構築されており、完全に新しいFLASHという感覚でわくわくしながら観ることができました。
「魅せ方」を追求されており、文字の動かし方1つにしても職人としてのこだわりが感じられます。マトリックス風の文字が流れたり、画面そのものの大きさが変わっていくように見せたりと、観客の視点を引きつけて離さない要素がふんだんに使われています。
私の一番のお気に入りは、視点を移動させながら鍛冶屋がつるはしを振り下ろすシーン。あーもうコレかっこよすぎ。
余談。s.t.iiiさん制作のFLASHはCoolなものばかりなので、他の作品もぜひご覧あれ。

亡者共の受難」 (Psychedelic Power (o_o)
きみーさん作成。
Doomに籠もってレアアイテムを入手しようとする人たちの苦しみが伝わってきます。細かい部分の魅せ方や画面構成も工夫されていて、何度も見たくなりました。
目を見張るのは動きの滑らかさ。制作者のきみーさんは、FLASH Ver.4をお使いのためかFLAファイルを開けなかったとのことですので、元ファイルからではなく自力でこのFLASHを制作されたようです。動きが滑らかなのは、元ファイルよりフレームレートが高い(1秒あたりのコマ数が多い)せいかも知れません。1から作り上げるのは相当の根性が必要だったことと思います。私も哭蔵様の「誰ソ彼レ」を毎日何十回も見ながら「鍛冶屋の受難」を作っていた夏の日のことを思い出しました。
文字の動かし方を色々工夫されており楽しいです。文字だけでこれほど遊べるのだなあと、つい同じ制作者の視点から見てしまいます。

「名探偵の受難」 (Let It Be) [閉鎖?]
Silverさん作成。
以前からサイトは存じ上げていたのですが、この作品を見てさすが作り慣れてるなあと思いました。FLASH制作のツボを心得て作られており、安心して見ていられる作品です。
探偵という地味な(失礼)職業で生きていく難しさを、ネタを交えて表現されています。
また、「便利な世の中になったものだな でも俺達は昔のブリタニアが好きだった」という言葉には、常に変わりゆくオンラインゲームの悲哀が込められており、ちょっと切なくなりました。
後半、ブリタニアのフィールドが下から上に流れてゆっくりと消え、「大事なものをなくしていないか?」という言葉が浮かび上がる場面は、スピード感のあるFLASHの中にあって一瞬時間が止まったような静けさをもたらしています。
メインテーマが名探偵の受難なのかそれとも古参プレイヤーの嘆きなのかが若干分かりにくく、言いたいことがストレートに伝わってこない感もありますが、そういった小さな難よりも各所に散りばめられた小ネタにニヤリとさせられて純粋に楽しめました。

無限鯖の受難」 (Pirates of Suicidal Barracudas
Neroさん作成。
こりゃカッコイイFLASHだなあ!何度も見直しちゃいました。要所要所の動かし方・魅せ方が見事。文字を震動させるエフェクトには視線を引きつけられます。お気に入りは平家物語のあたり。スピード感も抜群です。
ただ、見切り発車で無理やり完成に持っていった感があり、全体の構成など造りが荒い部分が多いのが本当にもったいないです。もう数日熟成させていたら、また違った仕上がりになっていたと思います。終わり方もなんだか唐突な印象を受けます。音楽を急に停止してラグの発生を表現する手法は斬新ではありますが、せっかくの勢いが失われるので、いいのか悪いのかいまいちよく分かりません。
元フラを使ったところよりもオリジナル部分の方がはまっていたので、元フラに縛られずもっと自由にガンガン組み上げた方がよさそうと思いました。
めちゃくちゃカッコイイだけに、惜しい部分が余計気になってしまいました。音質も上げたら一層迫力が出るのになー。

全リミックス版の一覧は「受難」リミックス企画特設ページへどうぞ。




前のテキスト  次のテキスト




トップ  テキスト一覧