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 目指すべきベンダー像 (2002/1/4)

今回は、目指すべきベンダー像や運営方法について考えてみたい。
もしベンダービジネスで本当に成功したければ、一番大事なのは、始めるときにどれだけ明確に自分のイメージが確立できているかということだと思う。走りながら考えるというのでは、まず成功しない。到達すべき目標地点を明確に描けた者だけが、真の成功を手に入れるのだ。
運営スタイルの大枠が既に固まっているのなら、その詳細については実際にやってみてから試行錯誤してみるというのもアリかも知れないが、「なんとなくやってみよう」というのは最悪で、そういうやり方では色々な情報に振り回されながら結局失敗するというのがオチだろう。
価格の決定方法は?品揃えのスタイルは?顧客との連絡手段や接し方は?
効率を重視し、GMでも作成が困難な品は店に置かないというのも1つのやり方だ。低価格で薄利多売を目指すというのも当然にアリだろう。ただし、他店にもっと安い店があったとしたら、より安いものを欲しがるユーザはそちらに流れてしまうので、自分の店はさらに値下げせざるを得なくなる。私は、そんな安売り競争に意味はないと思っている。

品揃えについて考えてみよう。私は鍛冶屋なので、鍛冶ベンダーを例にとって話を進めることにする。ブリタニアには9色もの鉱石があり、作成できる武器や防具の種類もそこそこ豊富だ。1人のベンダーに125個までしか商品を置くことができない今のシステムでは、武器や防具の全色全種類を1個ずつ並べることすら不可能だ。防具だけに限ってみても全色全種類を並べることはできない。そこで、ベンダーを何人配置できるかという条件や、どんなスタイルで商売をしていくのかという、自分の目指す方向性によって、ベンダーに並べられる商品は異なってくる。
鉄のみで固めるのか、こだわりの黒だけを扱うのか、プレートの販売をやめるのか、売れ筋の色と種類に絞って販売するのか。逆にベンダーを増員して出来る限り商品を増やし、様々な顧客へのニーズに対応するのか。
実際には、自分のこだわりと商品の売れ行き傾向の分析、補充力などを総合的に判断し、その妥協点を探っていくことになるだろう。
全色全種類の防具を置いたとしても、ほとんど売れない商品もあるわけで、無理してそのような商品を置くのは、労多くして益少なしということにもなり得る。いや、間違いなく、なる。「防具はやっぱり Copper じゃないと戦えねえよ」という人は、いるかも知れないが、いたとしてもごく少数だ。つまり、売れない。
売れないものを置くのは意味がないと考えるか、すべて並べるのがベンダーとしての責務だと捉えるか、それは各人の判断に委ねられるべきで、いいとか悪いとかいう問題じゃない。ベンダーに支払う給料もあることなので、採算がとれないのであれば、すっぱり切るのもビジネスだ。逆に、何でも揃っているという安心感を売りにしてリピーター確保に繋げるのだという考え方もまたビジネス。どちらを選ぶかは結局、経営者である自分自身ということだ。

私自身の運営方法として見るならば、価格の安さで勝負するよりは、品揃えとサービス品質で勝負する方が、長い目で見れば顧客の信頼度は上がり、店としては繁栄していくものと考えている。
品数を限定し、作りやすく売りやすいものだけを販売するのではなく、幅広い商品を揃え、「あそこに行けば欲しいものが必ず手に入る」という安心感を顧客に与えることこそが、自分の使命だと思う。Iron 限定の店ならいくらでもある。他店との差別化を図り、顧客に「この店でなければ」と思わせる店づくりをしていくことが、私の目指すベンダー像である。

これからベンダービジネスを始めようとする人には、到達点をどこに定めるか、自分にとっての成功とは何なのか、それをまず最初に描いておくことを強くお勧めする。
夢は、きっと叶う。



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